続きです。
③トレーナーとしての日々
ハム大のところでも話したように、ハム大で名乗っていたトレーナーもどきと京大水泳部でのトレーナーは全く違う意味を持ちます。潤が創設して(断じてTKTではない)、匠とメグメグがいて、しっかりとした専門知識に基づいて創り出されてきたトレーナーとしての体系は素晴らしいものでした。1年半の間に、トレーナーチームが選手に頼られる重要な京大水泳部の「戦力」になることができたのは初期メンバー3人のおかげだと思います。一緒にここまで連れてきてくれてありがとう。
後輩トレーナーの皆さん、別に特段知識があるわけでもない僕を慕ってくれてありがとうございました。随分と人数も増えてにぎやかになりましたね。僕のトレーナーとしての手技は野生児なので体系的に教えることはできないですが、イメージなら伝えます。あとはTKTに評判の肩甲骨剥がすやつをみんなに教えたいです。関カレとかで教えます。
これからもトレーナーチームを発展させていってください。
なんやらかんやら遅れたり忘れたりして、本当にご迷惑をおかけしました。炎のハイパーファイヤーエクストリームメグメグによくおしりペンペンされました。あれはいつもガチで痛かったです。DV反対。
冗談抜きでたくさんご迷惑をおかけしました。LINE見てなかったり、ミーティング遅れたり、ワークアウト忘れていたり、シロノワール食べてたり。。。ちょいとのびのびしすぎました。お詫び行脚します。
↑トレーナー飯。この30分後、奈島が死亡します。
そしてついに、トレーナーとして迎える正真正銘最後の関カレ・全国公です。コロナで2020は無かったのでこれが5回目です。
決起集会でも言ったように、みんなを南利シャブ漬け生活に陥れようと思います。
頭痛・腹痛・神経痛はもちろん、僧帽筋・三角筋・菱形筋・脊柱起立筋・大臀筋・内転筋・大腿四頭筋・ハムストリングなどなんでもかんでもお任せください。トレーナーで一番強いと評判の劇薬フロッシングもあります。レース前時間がなくても、慢性的な痛みでも、なんとかかんとかします。
南利なしでは生きられない、タイムが出ない体にします。引退した後、確実に困らせます。禁断症状出させます。覚悟しといてください。
一応シフトはありますしレースも見たいですが、シフト外でもできる限りたくさんレースに向けたコンディショニングをしたいと思います。奮ってご依頼ください。命を燃やします。
④水泳と水泳部
・水泳に対する思い
僕は高2くらいの時に、ろくに努力もせずに自分の選手としての成長を諦めました。自分がそれほど速くなることはできないと。もうマネージャーになろうかなと。結局高3まで選手を続けましたが、筋トレしたりフォームを見直したりストレッチをしたりといった努力は何もしていませんでした。それで選手としての道を終えてしまいました。
大学からスタッフになり、ハム大でも京大でも「考えて」泳ぐ選手にたくさん出会って、その練習態度やレースへの向き合い方を目の当たりにしました。そこでようやく、自分が速くならなかったのは水泳において「考えて」いなかったからなのでは無いかと気づきました。
今年は七帝戦に向けて週3〜4くらいで泳ぎました。自分で泳ぐ時は、練習の目的を考えたり「水感」を掴んだり、キャッチやプルで水を押す感覚を意識したり、スタッフしている中でようやく得た知識を使いつつ練習しました。
それに加えて、トレーナー陣で練習したのは新鮮で、とても楽しかったです。ENとかキックとか色々やりましたが、意識を高く持って高強度な練習に取り組めたことがとてもよかったと思います。いつもメイン後に幸登がDiveのタイムを計ってくれました。真喜屋が漂流していたのも非常にポイントが高いです。
↑特によく泳いでた2人と。速かったねえ。
そもそも僕はスプリントが苦手で、選手時代は半フリに出たことがほとんどなく、中2の31秒以来公式記録はありませんでした。短距離で出し切れないというか、泳いでも疲れてないというか。ハム大時代にちょっと練習して出た2021年夏季長の27.75がこれまでの生涯ベストでした。
今回の七帝戦では、リレーの引き継ぎで26.80を出すことができました。これが僕の現時点での最高到達点です。27秒前半を狙っていたので、26秒なんて出ると思っていませんでした。幸登も院試とかある中で練習見てくれて、鼓舞してくれてありがとう。一緒に練習したトレーナーのみんなもありがとう。
一旦は選手を辞めた身ですが、泳ぐの楽しいなと感じてしまいました。京都大学の選手として出場できて、本当によかったです。
↑ラストレース後の写真。100Baしんどかった。
特に1回生男子コンビは選手転向とかいう声も上がってくると思うけど、そこは自分がやりたいようにしてください。トレーナーしながら泳ぐのが実は一番至福ってことを僕は知っています。コタツに入りながら食べるハーゲンダッツみたいなもんです。(ちなみにコタツでハーゲンダッツを食べたことはない)
ただ、もし仮に僕が府大に入ってからも選手だったらどうなったのか。もっと「水泳」自体を楽しむことができたのではないかという少しの心残りもあります。(もしもボックス欲しい)
ただ、僕の場合はスタッフになったからこそ、水泳という種目を俯瞰的に見つめ直すことができて、モチベーションも上がったのだと思います。スタッフをはさまなかったとしたら、
・水泳「部」に対する思い
大学2年くらいまでは、自分は「水泳」のことが好きなんだと思い続けていました。でも、別にオリンピックとか世界水泳とかそんなに見たいとも思わないし、速い選手にもそこまで興味がありません。今回のパリオリンピックも、水泳以外も含めてまだ一切見てないし。そう、水泳部には周りには水泳ガチ恋勢がたくさんいる中で、自分が少し違うことに気づきました。
よく考えると僕は「水泳部」という場が好きなだけでした。水泳ガチ恋勢もいれば、フィットネス勢もいて、球技みたいな汗臭さや圧力もなく、いろんな人がいろんな方面に向かってのびのび存在できる場所。面白い人だらけで、部室に行くだけで癒される環境。そんな環境が好きで、中高大院と12年間水泳部に所属し続けたんだと思います。
なぜか競泳という種目のもとに集まっただけのはずなのに、いい感じに頭のネジが飛んでいてのんびり気味の性格の人がたくさんいます。水泳部に集まる人柄には、とても居心地がいい何かがあるんだと思います。
その一方で、京大水泳部が対抗戦にかける思いはハム大に比べて段違いに強いと思います。潤や裕一朗も言っていた「レギュラーの責任」。
重い言葉ですが、京大水泳部のみんなはチームを背負って戦う覚悟というものがものすごく強いように感じます。そしてそれを支えるスタッフや強化練組の応援も段違いに熱いと思います。この前の関国で、僕がいたころのハム大と比べてもチームとしての格が違うように感じました。
スローガン一つとっても印象の残り方が全く違います。チームとしての団結力がものすごくあって、対抗戦に臨むことができているように感じます。
いろんな人がのびのびと共存しつつも、チームとして戦う意識がしっかりあり、チームとして一つの方向へと突き進んでいける強さがある環境。
これからも京大水泳部がそんな環境であり続けて欲しいですし、この環境を皆さんに守り育てていってほしいと思います。
⑤みんなへのメッセージ
全員に書くやつ、ハム大引退するときもやってないんですが、個人的には公開で伝えるとなると文章に遠慮とか出ちゃうので思いは非公開に伝えたいと思います。なんか言ってほしかったら直接話してください!ざっくりと集団ごとに思いは載せときます。
・後輩スタッフへ
仮にも僕は6年間スタッフをしてきました。僕がスタッフをしてきた中で大事にしてきた考えが、「スタッフがやることを仕事と思わない」ということです。なんで金(部費やら遠征代やら)を払ってまで「仕事」をしないといけないのでしょうか。僕はトレーナーの「仕事」という言葉は決して使わないようにしてきました。
現役のマネージャーやトレーナーの皆さんにも、自分がやっている役目(タイム取ったりコンディショニングしたり)を「仕事」と思わないでほしいです。まずは自分が楽しみましょう。というかやりたいことじゃないと続けられないですよね?
多分マネージャーやトレーナーの皆さんは、心のどこかでは「仕事」と思ってしまっている節があるんじゃないですか?今すぐ変えろとは言いませんが、徐々に意識を変えていった方がいいと思います。
自分がやりたいからやっている。と思って取り組んだ方が自分のためにもなるし、選手のためにもなると思います。その方がきっと能動的に行動できるはずです。
自分のやりたいことが、結果としてチームに、選手にとって求められているサポートであって、それこそが自分のライフワークでありチームへの貢献である、と考えませんか。
義務感に苛まれてやるのって辛いじゃないですか。課題もテストもバイトもあるのに、朝早く起きて人のために動いているわけです。
僕は朝が劇弱なので朝起きるのは結構つらいですが、朝練に行くこと自体が嫌だったことはありません。それはきっと「行かないといけない」という義務感ではなくて「みんなに会える、今日も頑張ってもらおう」と前向きな気持ちがあったからだと思います。
部活に行くことは、僕にとって「仕事=マイナス」ではなくて「ライフワーク、趣味=プラス」のイベントでした。
もしかしたらこの文章を読んで、スタッフでいることを逆に嫌になってしまった人もいるかもしれません。そんな人は一緒に話しましょう。やりたいことが何なのか一緒に考えます。本当に義務感だけでスタッフを続けているなら、それはきっとあなたの人生にとってマイナスにしかならない気がします。大学生活の貴重な時間とお金を使って「仕事」をするのは無駄でしかありません。
・後輩選手へ
選手の中にもいろんなモチベーションを持った人がいると思います。インカレを切りたい人からまずはレギュラーを取りたい人、フィットネス目的の人もいるかもしれません。それぞれの事情、思いがあって、それをのびのびと追及できる場所こそ京大水泳部だと思います。その中でも最低限チーム全体の輪を乱さず、一丸となって進む部分を持ってもらえたらいいと思います。
考えることを辞めずに、ひたむきに水泳と向き合い、成長し続けてもらいたいです。
今後も結果が楽しみです。
・同期(4回生)へ
2学年上のおじさんを受け入れてくれてほんまにありがとう。ハム大時代の同期が人数も少なくてそんなに仲良くなかった分、4回生とは色んな人と話せて楽しかった。
「4回生はベスト出ないものや」っていうハム大時代の固定観念は、4回生の活躍によって覆されました。研究室や実習もある中でベストを出してくるみんなの強さを尊敬しています。最後まで輝く姿を見せてください。支え続けます。
そして、引退後も仲良くしてください。遊びましょう。個別メッセージは引退ブログのコメントに書きます。
⑥引退してからのお話
・酒飲みたい
大会前に禁酒を考えたり大会後に飲まなかったりの人も多くて、この1年間あんまり飲みにいけなかったのが後悔。(ハム大の時はもっと行ってた)
というか多分俺が酒キャラじゃないと認知されてる。普通に日本酒とかレモンサワーとか好きです。最近飲み足りないです。
→これからオフシーズンやし、同期後輩問わずにいっぱい飲みに行こうね
京都の居酒屋開拓したい。ほんまに。
・温泉、サウナ行こう
秋冬はサウナのオンシーズンやで。外気浴最高。風呂行こうぜ。あと京都のトラディショナル銭湯をめぐって制覇したい。
京都大学体育会水泳部の3つ目の競技面として温水面っていうものも作ってます。僕が勝手に作って、メンバーも偏見でグループ入れていってますが、入りたい人いればお近くのメンバーまでお声がけください。
モダンなスーパー銭湯や温泉が好きな人も、京都伝統のトラディショナル銭湯が好きな人も、サウナが好きな人も、暖かい水(温水)が好きな人であればどなたでも参加可能です。これは卒業まで居させてください。お願いします。
・サイクリング、ドライブ、鉄分補給行こう
実はロードバイク持ってます。2階の部屋から担いで出すのがめんどくさいから出してないけど。ちなみにロードバイクに乗っても、普通にグボちゃんの暴走には負けます。
ドライブに関しては、タイムズカーシェア最高ランクなので、デカい車も一番安い料金で借りられます。免許取って5年くらいなので免許取り立て初心者とのデスドライブ教習も承っております。リコはちょっと怖い。陸太郎とデスドライブしたい。
電車も乗らなあかんです。小浜線とか乗りたいねえ。
・紅葉、雪景色、京都寺社仏閣巡り行こう
京都らしい風景を感じたい。宇治とか天橋立行きたい。雪積もってる金閣寺を今年こそ見たい。御朱印帳も埋めたいので、京都の観光地とか寺社仏閣巡ってくれる人をいつでも募集しています。
・就活コンサル始めます?
悩める就活生の子羊たちをお助けするコンサルサービスでもやろうかと思います。ES添削とか予想質問とか面接練習とか考えます。(適性検査は対策したことないから分かんないッピ)
・千葉で就職(来年4月)
関東行くのがナーバスになってきました。みんな遊びに来てください。就活の人は面接の時とかでも。ネズミの方のテーマパークも行きたいですね。
最近やっぱり関西がいいなあと思ってます。でも関西には面白い会社が見つからんかったから関東になりました。
ごめん、同級会には行けません。
いま、シンガポールにいます。
この国を南北に縦断する地下鉄を、私は作っています。
本当は、あの頃が恋しいけれど、でも……
今はもう少しだけ、知らないふりをします。
私の作るこの地下鉄も、きっといつか、誰かの青春を乗せるから。
仕事内容は東南アジアとかブラジルとか中東で石油化学プラントとかインフラを作る会社なので、リアルにシンガポール地下鉄同窓会欠席ニキになるかもしれません。
駐在じゃなくて出張ですが、海外飛び回る感じになりそうです。それが楽しそうで会社選びました。
【2024年8月12日追記】
全国公が終わりました。
2度目の大学水泳からの引退、2度目の喪失感です。
多分選手はもっと大きな穴が空いていることでしょう。(それに対する一つのアンサーが、大学院でもう一回水泳部に入部することです←)
全国公でも、もっとたくさんの人と話して、もっとたくさんの人のコンディショニングをしておけば良かったという思いです。あっという間に終わってしまいました。
最後にも言いましたが、僕が学歴厨だからではなく、単純にチームとして京大水泳部が大好きです。みんな自我があって、芯があって、良識もある。ベクトルや程度の違いはあれど水泳に向き合っていて。あと、同期で仲良くしようという意欲がすごくありますよね。
各個人悩んでいることや困っていることもあると思いますが、とりあえずは自分のできる範囲で、楽しみながらやれたらいいと思います。
でも誰もが必要なチームの一員であることは忘れないで欲しいと思います。誰か1人がかけたら今のようなチームにはなっていないわけで。
僕は「楽しくないなら辞めたらいい」と言いましたが、辞める前に「楽しくするための努力」は必要だと思いますよ。練習に対するモチベーションや捉え方、周りの人との関わり方、自分がやることの範疇を整理すれば、道筋が見えてくることもあると思います。
来年、成長して輝きを放つ京大水泳部を見れることを楽しみにしています。最後までありがとうございました。
(ここから原文)
今、単純にこの京大水泳部での生活が終わることが寂しいです。この日記も引退への一歩な訳で…。これを終わらせることも憚られる。
普通に寂しいです。ずっと吉田神社あたりの研究室にいるので、来年の3月までならいつでもコンディショニングとか呼んで欲しいです!飛んでいきます!
というかたまに部室とか行くと思います。カピバラを見守る気持ちで温かく迎えてください。秋冬になったら、一緒にプールサイドで日向ぼっこでもしましょう。
⑥に書いた引退後の項目に当てはまる各位は気軽に誘ってください!予定は詰まり気味ですがフットワークは軽いです。僕からも誘います。
さて、流石に予定より2日遅れてしまったのでこのあたりで終わります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後に。
僕が京大水泳部に至るまで、唯一無二のユーモアとかっこいい背中で僕に憧れを与え続けてくださった諸先輩方
大学院まで通わせてくれて、いつも好きなことをやらせてくれた両親
僕に水泳の楽しさを教えてくださった中学水泳部の顧問、高校水泳部の環境
僕のことを受け入れてくれた去年の4回生&現4回生
いつも僕のことを親しんでくれた後輩たち
そしてこの日記を、南利昂汰が京都大学体育会水泳部に存在した証として刻みます。
この時間軸で、この世界線で京大水泳部に存在することができて幸せでした。
それでは皆様またお会いしましょう。いつまでもみんなのパパであり続けます。南利でした。
PS
今読み終わったあなたへ。たまにコメント確認してるので今からでも書いてもらえると嬉しいです。
京都大学体育会水泳部 修士2年トレーナー 南利昂汰
2018-2019 奮輝
2019-2020 瞬
2020-2021 克起
2021-2022 一新起元
2022-2023 青炎
2023-2024 総乱舞
1. 飲み行きましょう